(前回の研修内容はこちら↓)
前回の研修で検討した「環境CSRビジネスによる新しい利益の創造」をベースに、NTT西日本の持つICTサービスを活用した具体的な「つながりビジネス」のモデルを検討し、実行に移していこうという目標を立て、2日間の研修がスタートしました。
研修参加者みなさんに「Iターン者」を演じてもらう
今回は班ごとにテーマを与え、そのテーマを理由に研修参加者はIターン就職してきたという、ちょっとした設定を用意してみました。
もちろん、NTTは中途退社したという前提(!)
それぞれの班が設定された立場になりきって、NTTと集落のつながりを考えたり感じたりしてもらうことで、これまでにない新しいつながりを見つけてもらおう、というのが狙いです。
さて、バスに揺られること約3時間。
つねよし百貨店に到着です。
店内見学の後、つねよし百貨店代表の東田一馬氏から、「つねよし百貨店のつながりビジネス」についてお話を伺いましした。
つねよし百貨店だからこそ発生する出来事や、相手を知らないとわからない注文のされ方など、地域のおもしろ話も盛り込まれていて、笑いが飛び出す場面も。
電話で「普通のネギちょうだい」と注文されても、青ネギなのか白ネギなのか…と困ってしまいますが、百貨店だとすぐに判断できるんだとか。すごい!
つねよし百貨店のつながりの中にはたくさんの地域ビジネスのヒントが隠れていて、それらを見つけていくことで、田舎暮らしならではの価値観が生まれたと東田氏は言います。
さて、講話の後は待ちに待った昼食です。この日はお天気も良く、外でいただくことに。
メニューは丹後の名物「ばら寿司」と自然耕房あおきさんのレタス。初夏の日差しの下、みんなで食べるだけでおいしさも倍増です。
お腹も満たされ、研修のメイン地域である大宮南へ出発。
研修会場である大宮南公民館に入ると、そこには立派な横断幕が!
あたたかい歓迎に思わず笑顔がこぼれます。本当にありがとうございました!
研修の導入として「農村マーケットと環境CSRビジネス」をテーマに、NPO法人いのちの里京都村理事長菱川貞義氏より、マーケットとしての集落の魅力や市場規模、他県で実際に行われている様々な集落ビジネスについての講話を行いました。
講話を終えると、いよいよIターン先での職場体験です。
各班に「つながりマップ」を配布し、体験先でのお話や、経験をもとに白紙のつながりマップにそれぞれが見つけた「つながり」を追加していきます。
体験先ではさまざまな資料や体験談を準備して下さっており、普段知ることのできない地域ならではの実情など、とても興味深いお話を伺いました。
体験を通して気づいた「つながり」をどんどんマップに落とし込んでいきます。
日中の研修の後は、近くの温泉で汗を流し、地域の方々との楽しい交流会です!
地元のお料理やお酒を楽しみながら(1枚500円する海苔も登場!)、今日あった出来事やほかの班の体験談など発表形式で意見交換をおこないました。
宴もたけなわとなったところで、班ごとに農家民泊へ移動。
民泊に移動してからも語り合いは続いたのでした。
2日目朝。
それぞれの民泊先でおいしい朝ごはんからのスタート。
お世話になった奥さんに公民館への抜け道を教えてもらいました。
道を抜けるとそこには実際に使われていた自然の貯蔵穴に遭遇。なんだか得した気分です。
午前中は、昨夜意見交換で共有した情報をもとに作成された全体の「社会なつながりマップ」を眺めます。「あそことあそこがつながっていたんだ」「もしかしたらこことつながるかもしれない」そんな気づきを共有し、各班さらにブラッシュアップしていきます。
お昼ごはんはギネスにも認定された丹後の長寿世界一、故木村次郎右衛門さんの食事に倣って作られた長寿弁当とつめたい常吉うどん。
午後からはいよいよ発表会。
発表会には地域の方々や体験先でお世話になった方々が集まって下さいました。
4グループそれぞれの体験から考えられた「つながりビジネス」は、現実的なものから夢のあるものまで、いろんなアイディアが飛び出し、終始驚かされてばかり。地域側も「新しいつながり、発見を知ることができて、今後実際に進めていきたい」と、嬉しい感想をいただくことができました!
今回完成した大宮南の「社会つながりマップ」。普段、何気なく感じていた日常に新たな刺激を与えることができたのではないでしょうか。
今回の研修にあたり、百貨店、小学校、福祉施設、駐在所、農家、農家民泊、公民館…あげればきりがないほどたくさんの方々に協力していただきました。
これほどまでに大規模な地域密着型の研修ができたのは、奥大野の皆さま、また参加して下さったNTT西日本の皆さまのおかげです。
研修で出たアイディアやとんでもない発想が、地域の新たな発展、企業の新たなビジネスの種になることを心から願っています。
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7月24-25日に京丹後市大宮町常吉で行なわれた、NTT西日本の環境CSRビジネス研修。
今回の研修では「環境CSRビジネスによる新しい利益の創造」をテーマに、各グループごとに地域の方への取材、撮影、ディスカッションを経てアイデアを練り、iPadを用いて編集した映像を使った最終プレゼンを目標としました。
大阪からバスに乗って約3時間。常吉の公民館に、参加者であるNTT西日本の方、地域の方、京都大学の方、京都府職員、京都村スタッフの面々が大集合!全員をシャッフルし、3つのグループに分かれて研修がスタートしました。
同じ会社といってもバラバラの部署からの集まりだったので、皆さんほぼ初対面でしたが、ほのぼのとした雰囲気で自己紹介が始まりました。次にiPadの導入ということで、実際に使ってみて取材の練習。まずはグループにいらっしゃる地域の方へのインタビューから!
導入が一通り終わったところでお昼ごはん。

今回の研修のごはんは、地元のお母さんたちが中心となって活動している「乙女塾」の皆さんの協力のもと用意していただきました。一日目のお昼ごはんは丹後の郷土料理「ばらずし」。
お昼からは、つねよし百貨店の東田氏と275研究所の菱川氏による地域ビジネスの講話を、つねよし百貨店の一角で行いました。
講話が終わったら、いよいよ現地散策です。つねよし百貨店通信配布のお手伝いを兼ねて、集落の方々にインタビューまわりを開始!
集落の移り変わりや、今後こうなったらいいなと思うこと、いま楽しみなこと…など、聞いてみたら答えてくれる常吉の方々。こちらが1聞いてみると10返してくれるような和気あいあいとした雰囲気が印象的でした。
1日目の研修が終わり、近くの温泉で汗を流したあとは、地域の方との交流会。地物で作ったお料理と丹後のお酒などを楽しみながら、みんなで語らう大盛り上がりの夜となりました。
2日目の朝。地元の子ども達とラジオ体操をしてからの朝ごはん。
朝ごはんを食べた後は公民館の近くにある畑で野菜の収穫体験をさせてもらうことに。
着いて早々見せていただいたのが、今朝イノシシにやられたばかりだというスイカの残骸。「こうやって収穫しようと思った日にやられるからガクッときちゃうよね。獣害が無ければもっとたくさん育てたいけど…」というおじいちゃんの言葉に獣害の深刻さを思い知りました。
気を取り直して、スイカ、トウモロコシ、ゴボウ、トマトなどを収穫。野菜を収穫するとみんな笑顔になります。貴重な体験と新鮮なお野菜をありがとうございました!
お昼ごはんはつねよしうどん。常吉にある製麺所さんでつくられたおいしいおうどんを、地物の天ぷらをのっけていただいます。
午後からグループごとに本格的な発表準備にとりかかります。テーマやプレゼン内容、映像編集など、タイトなスケジュールのなか同時進行でドンドン進めていきます。
つねよし百貨店に移動して、いよいよ発表です。地域の方や府の関係者、新聞社の方たちも発表を聞きに集まってくださいました。
3グループとも異なった視点から地域の問題を切り取り、アイデアを展開。どのプランも地域の問題とビジネスがうまくかみ合う内容になっており、短時間にもかかわらず完成度の高いプレゼン内容でした!
最後に参加者全員で記念写真!みなさんのいい笑顔で研修は終わりました。
1泊2日に及ぶ今回の集落×企業の人材開発セミナーは、たくさんの方々の協力のもと行なわれました。関係者のみなさま、本当にありがとうございました。
実際の現地へ赴いて行なわれた「環境CSRビジネスによる新しい利益の創造」をテーマに行なわれた今回の研修。普段の研修ではなかなか得る事のできない体験と達成感が得られました。
何もない過疎の農山村こそ、日本の最先端の場所であり、ビジネスチャンスが眠っていて、可能性が秘められているのかもしれないと感じる事ができたのは大きな収穫ではないでしょうか。
今回のことをふまえ、今後これらの研修プランをパッケージ化し、各地域や企業で展開・継続することができればと思います。
今回のセミナーを映像でまとめました↓ぜひご覧ください!
成果報告書としてまとめられています↓せひご覧ください!
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「野菜あんまりそろっとらんねえ。」
「今の時期はどこの農家さん行っても無いんですよね。
でもこっちのやつはさっき採ったばかりだからおいしいし新鮮ですよ。」
こんな会話が聞こえてくる百貨店をご存知ですか?
京都府京丹後市大宮町の上常吉にある「つねよし百貨店」。
ここは日本一小さな百貨店です。

平成10年に地域住民が出資し、自主運営するかたちで誕生した「常吉村営百貨店」。
現在は「つねよし百貨店」と名前を変えて、「常吉村営百貨店」の理念を受け継ぎながら、地元住民による任意団体が運営しています。
百貨店には食料品や日用雑貨だけでなく、宅配便や買い物に来られない高齢者宅への配達など生活に必要なサービスまですべてを揃えられています。
また地域の様々なイベントも行い、コミュニティの場としてもなくてはならない場となっています。
「(百貨店が無くなるのは)もったいないと思った。
内情も知っている分、大変だとは分かっていたけど…。」
「常吉村営百貨店」を引き継ごうと決めたときの心情を、東田一馬さんはこう語ります。

一馬さんは「常吉村営百貨店」の運営や地域活動を半年間経験され、その後家族で常吉に移住し、今ではご夫婦で「つねよし百貨店」の運営をサポートしています。
今回の取材では、常吉の案内をしていただきました
Q.「『つねよし百貨店』になったことで変わったことはありますか?」
A.「良い意味で肩の張った感じがとれてきたと言いますか…
始まりは、買い物難民をどうにかしなくては!という『住民のため』の部分が大きかった。
今は、いいお店、いい場所、みんなの集まるところをつくりましょうという感じです。」
Q.「みんなが集まるのに工夫したところはありますか?」
A.「売り場面積はまえの4分の1くらいでしょうか。
壁にズラッと並んでいた商品棚をやめて、自由に使えるスペースを増やしました。
壁の木が見えるので雰囲気もだいぶゆったりしたと思います。」


昼間はお客さん(というより近所のおじいちゃんおばあちゃん)が入れ替わり立ち替わりやってきてはお店のスタッフさんと楽しそうにお喋りしていって、夕方には学校から帰ってきた子供たちが遊びまわっている。
まさに、みんなの場所だなあと感じました。

つねよし百貨店を出てすぐにどこからともなく聞こえるガシャーンガシャーンというリズミカルな音。 一馬さんが「こっちだよ」と案内してくださったお宅には、ものすごい重量感のある機械たちが!

「子供もみんなおらんからね、今でも朝から晩までここ(はた織り場)におるよ。」
丹後では、はた織り産業がとても盛んでしたが、織物をしている家も今ではピークの10分の1以下だそう。
この家のおばあちゃんは本当にお元気な方で、機織り機が鳴り響いているのもなんのその、あれは何?これは何?という、はた織りビギナーな取材陣の質問にハキハキ答えてくれました。

次に案内されたのは常吉のアイコン的存在である、平地地蔵。
なんと高さが5.3メートルもあります!

地域のみんなでお花見をしたり、イベントを開催したりといろんな機会で使われているそう。


さて、つねよし百貨店に戻ると、学校から帰ってきた小学生たちがたくさん遊びにやってきていました。


一馬さんにこれからの百貨店についてどう思っているのか聞いてみた。
「村の人たちの暮らしを維持できる場所でありたいと思う。」
イベントなど関係なく、普段の生活のなかで自然に人の集まる場となった百貨店。
利益倍増や業務拡大を目指すのではなく、この小さなスケールでできる範囲を続けることが大事ということでしょうか。

常吉で出会った人々は年齢問わず、みなさんパワフル。 それでも人口は減少し続けています。
山間部にあるこの小さな村で暮らすことは、楽しいことだけではなく、苦労することもたくさんあるでしょう。
でも、みんなの集まる場所がある。言うなれば村の居間でしょうか?
そこに行けば誰かの知恵をお裾分けしてもらえるかもしれない。
ただ話をするだけで気持ちがラクになるかもしれない。
そんな場所があることが、ここに住みたい理由に十分なると感じました。
「ここは水がおいしいから、何育てても美味しいんですよね。
美味しいものが食べたいからお店をやるのが楽しいんです。」
と、笑顔で話す一馬さん。
美味しいものが食べたい方にとっても、住みたくなるところみたいです。
最後に、これからの常吉にどんなひとが住んで欲しいか聞いてみました。
「昔ながらの生活がいいな、と思う人に住んで欲しいかな。
特に食の大切さや、暮らし、子育てを大切にしたい人。
僕自身、息子のためにこういう暮らしを残したいという思いでやっているので。」
「おいしい水、新鮮な魚、野菜、お米が揃う地域なので、最高の素材を活かしてくれる、ワールドワイドで超一流のシェフ、パン職人、パティシエさん、お待ちしています! ただし、都会のようなマーケットはないので儲けは期待しないでくださいね。」
「暮らし」にこだわった生活に興味のある方は一度話しを聞きにいってはいかがでしょうか?

以前、一馬さんから「常吉はとってもあたたかい地域で、すごくいいなと思って移住した。」という話を聞いたことがあり、あたたかい地域って一体どういうことなんだろうと思ったことを覚えている。
そして迎えた今回の取材。とにかくみんなよくしゃべる。聞かれていないこともしゃべる。とっても楽しそうにしゃべる。夕方になると子供たちが帰ってきて ドッジボールが始まり、怪我して泣いてまた遊ぶ。そこにあるのは誰もが通過してきた時間。ありのままの集落、背伸びはしない。忘れかけていた「ありふれた 時間」を思い出させてくれる常吉の人々。東田さん夫婦がここで生きていくと決めた理由が見えた気がする取材でした。(2014年5月)