京都村日記

ICTをつかった地域のおせっかいシステムのモニターテストを行いました!

高齢化、過疎化の影響で独居高齢者が地域にも増えはじめ、都会より人とのつながりが強いとされる農村部でも孤独死が発生するといった悲劇も起き始めています。

これまで京都村では、人と人、人と地域、地域と地域、、、さまざまなつながりを見つけ、そのつながりを活用した支え合いシステムについて考えてきました。

過疎化が進み、人や地域とのかかわりが薄れていく今こそ、さまざまなつながりの大切さを見直すことの重要性を感じ取ってもらいたいと思っています。

今年度の事業では、そういったつながりを見つけるためのワークショップを、南丹市世木地区、大江町毛原、京丹後市奥大野の3地区で実施してきました。

 

その中で出たアイディアのひとつがICTを活用したつながりシステムです。

今ではすっかり生活に馴染んでいるICTですが、これの活用についてはさまざまな議論が出されました。

 

「使い方がわからない」「難しい」「よけいにつながりをなくすのでは」…

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今からおよそ20年前、インターネットを使って市民の環境保全活動を支援する社会実験をしていたとき、

「インターネットは好きになれない」

という方が何人かおられました。
犯罪の道具に利用されたり、青少年に悪影響を及ぼす側面から、
20年経った今でも、ICTにアレルギーをもつ人は少なくありません。

だけど、ICTそのものが悪いモノなのでしょうか。

ナイフ(刃物)も犯罪によく利用されてしまう道具です。
しかし、ナイフは生活に無くてはならないモノです。
ナイフによる犯罪がおきても、それはナイフが悪いのではなく使う側の問題です。
ICTもすっかり生活に溶け込んでしまっています。
ICTももっと積極的に使う側が「使いよう」を考えたほうがいいのではないでしょうか。

 

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今回テストしたICTは、使うことで、より気軽にコミュニケーションをとることができるものを重視しました。

①GoogleHome

スマートフォンと同期させ、話しかけるだけで検索や電話をかけることができるスマートスピーカー。スマートフォンやタブレットを使うことなく、声をかけるだけで使えることがハードルを下げました。

 

②HelloLight(ハローライト)

いつも使う部屋の電球をこのハローライトに変えるだけで、きちんと点灯しているかどうかをお知らせ機能で確認できるサービスです。一度も点灯がされなかったときのみ異常と検知し、メールにてお知らせしてくれる機能です。

 

③象印マホービンのみまもりほっとライン「iポット」※毛原集落のみ

無線通信機を内蔵した「電気ポット」を毎日使うだけで、ちゃんと生活を送れているか確認できる安否確認サービスです。お湯を沸かした時間や使用回数から生活リズムなども確認でき、倒れたときだけでなく認知症などのサインも見つけることができます。今回はモニターテストとして一か月間、毛原集落の全戸(13世帯)でテストしました。

 

これらのICTを活用したきっかけは、

「本当に見守りをしたい人たちというのは家からも出てこないし、人とのつながりを全く持とうとしない独居世帯の人たち。毎日見に行くのはお互いにストレスを感じてしまうので、見守る側もなにかサインをもらってから、様子を見に行けるようになればより安心して生活を送れるのではないか」

という意見が出たことです。

 

これらのICTは、生活の中に新たな動作を入れることなく、見守りができ、さらに異常があった場合は駆けつけることができるという、これまでつながることができなかった人とのつながりを生み出してくれる道具となりました。

 

今後、モニターテストの結果を精査し、どういったサービスやつながり、またはICTを導入するのがよいか各地域で検討し、より強いつながりを生み出す仕組みを考えていきたいと思います。

 

NPO京都村は、「人と人(自然)のつながりを豊かにするICT」の使いようを考えながら「まちづくり」をすすめています。


2020.03.31 / 京都村からのお知らせ